連載開始50周年記念 「あしたのジョー展」 行ってきた

@東京ソラマチ 5F スペース634

 

4月よりスタートした新作アニメ「メガロボクス」。見てますか?

舞台は近未来。
肉体とギア・テクノロジーを融合させた、究極の格闘技である「メガロボクス」にすべてを賭ける男たちを描いたこの物語。こちら何を隠そう、「あしたのジョー」連載開始50周年記念企画として製作されたものなんです。

 

リアル「あしたのジョー」世代は50代を中心とした方々だと思いますが、それより若い層もアニメ特番などで「あしたのジョー」に触れたことはあるはず。
私は整骨院の待合室で単行本を読んだのが深く知るきっかけでしたが、全巻読み終わるまで治療が終わらなければいいと本気で思いました。だって今読んでもめちゃくちゃ面白いんですよ。
時代も世代も関係ない
展開もさることながら人物描写にめっちゃはまる。やはり名作と謳われるだけのことはあるなと、しみじみ感じました。

 

■「あしたのジョー展」が開催される!

さて、そんな「あしたのジョー」。
連載開始50周年を記念して、様々なイベントが企画されています。

そのうちの1つが東京ソラマチ(5F)のスペース634にて開催中の展覧会、「あしたのジョー展」です

昨今漫画やアニメ、ゲームを取り上げた展覧会が増えていて嬉しい限りなんですが、こういう展覧会の魅力は、原作者や製作サイドの貴重な資料と共に、当時の反響を俯瞰できるところ。そしてなにより当時の自分の感情が鮮明に蘇ってくるところなんですよね。

なのでこの展覧会、リアル「あしたのジョー」世代はめちゃくちゃ興奮するし、余韻が半端ないと思います。
また、「メガロボクス」から「あしたのジョー」を知った世代も、「メガロボクス」が表現している孤独、ささやかな安寧、クールでありつつ泥臭い闘争心など、それらの原点を知ることができるのでオススメ。
あと、一見似ているようには見えない「メガロボクス」と「あしたのジョー」の作画にかなり共通点があることに気づいたりできますので、そこも要チェックです。

(※写真は許可を得て撮影しています)

 

 

■実際に行ってきた

◆原画でみる「あしたのジョー」

メイン会場へ向かう途中に目に飛び込むのは、矢吹丈の歴代対戦ポスター。
これらを見ながらテンションを徐々に高めて行くと、いよいよ展覧会の幕が開けます。

まず最初に展開されるのが【原画のコーナー】
こちらは丈とホセ・メンドーサが戦った世界バンダム級タイトルマッチにちなんで、原作者である故 高森朝雄先生(選者は長男・高森城氏)と、ちばてつや先生がそれぞれ原作の15シーンを選んで紹介するという、その名も「厳選 15Round」

ちば先生は「マンガというのは描き上げたらあとは読者のもの。(描き上げてから)作者が解説すると読者が“あれってこういう意味だったの?”と悩むから迷ったんだけど……」と仰っていましたが、各シーンに添えられた言葉は、ファンにとってかなり貴重な情報となるどころか、帰ってから全巻読み返したくなるものばかりでした。
描き込みが細かく、もはや芸術の域っていうのもあるんだけど、懐かしさのあまり溜息を零す方がたくさんいらっしゃいまして、うん、かぶりついて見ちゃうよね……。

印象的だったのがこの原画。

《下町の人々》

 

ちば先生は、ドヤ街の人々を描くのがとても楽しかったとコメントされています。
それは高森先生が “「巨人の星」はスポ根だけれど、「あしたのジョー」は文学として描きたい” と仰っていたことに繋がるのでしょう。
スポットライトの下に立つ人生ではないけれど、それでも輝いている人たちの活き活きした表情は、彼らが単なるモブではなく、ひとりの人間だということが強く伝わってきます
(※世代じゃないと分かりにくいけれど、「巨人の星」と「あしたのジョー」の原作者は同じ人なのです! ちなみに「タイガーマスク」や「空手バカ一代」、「侍ジャイアンツ」も高森先生原作)

 

連載当時のことを振り返る ちばてつや先生

 

また、原画を見ていくと分かるんですが、レオナルド・ダ・ヴィンチの《アンギアーリの戦い》を思わせるような構図や、カラヴァッジョのような陰影の激しい西洋絵画的な表現もあれば、上に述べたように日本美術における風俗画や絵巻に登場する闊達な民衆描写に通じる表現も登場する。
まさに平面で表現し得るあらゆる技巧を内包したものが「漫画」というひとつの媒体で完成されていて、これはちょっとすごいぞ……と鳥肌が立つんですね。
1コマの絵であるにも関わらず、それぞれの生活や背負っているもの、過ごしている時間を読者に想像させるのが上手い上手い……。

ぜひこのコーナーは時間を十分にとって鑑賞してほしいと思います。駆け足でみるのが勿体ないというより、駆け足できなくなると思うので……。

 

 

 

◆アニメで見る「あしたのジョー」

続いて【アニメのコーナー】
漫画で人気を博した「あしたのジョー」は、アニメとなってさらにその話題性を高めました。なんと最高視聴率31.6%。ネット配信などは無く、テレビでアニメを見るのが主流の時代だったとはいえ、この数字はかなりすごい。
こちらでは、背景とキャラクターを別々に描いたセル画を重ね合わせて1つの画とする、いわゆる “ハーモニー画” の展示もあります。

アニメはまだ未視聴……という人も、きっとどこかで見たことがある名シーンが盛りだくさん。
ということは、往年のファンにとってはたまらないシーンが多数ということです。
隣で見ていたおじさまは、「ああ……ここ……! そう、ここねぇ……」と思わず独り言を零していましたが、記憶が凄まじい勢いで蘇ってくるとそうなっちゃうよね。

 

「なんだ有名どころばかりか……」とディープなファンよ、冷めるなかれ。
一般的な名シーンばかりを並べていないのが本展の嬉しいところ。ちば先生も初めて見る資料がかなりあるというので、チラシに書かれている “アニメのお宝資料も公開” は伊達ではありません。

 

 

また、アニメコーナーの奥では、漫画のハイライトシーンを繋ぎ合わせた動画を、大画面で楽しむことができます。

 

葉子の告白シーンも……!! パネルに描かれたモブたちが2人を冷やかすように見えて微笑ましい(笑

 

 

 

◆高森朝雄 と ちばてつや の世界

丈のライバル・力石徹が亡くなった際、二次元キャラであるにもかかわらず、寺山修司の呼びかけで天井桟敷によって葬儀が執り行われたという逸話があるほど、社会現象を巻き起こした本作。
ここでは当時の新聞記事週刊少年マガジンなどをもとにその熱狂ぶりを伝えるほか、作品の元となる貴重な原稿も紹介しています。

特に新聞記事は、今読むとかなり面白いことが書かれています。
また、今でこそ俳優がアニメの声を務めることは多くなっていますが、元祖ジャニーズであるあおい輝彦さんが丈の声をあてたというのは、当時画期的だったのではないでしょうか。

 

 

 

◆「メガロボクス」の世界を知る!

さてここからは、冒頭でも紹介した新作アニメ【「メガロボクス」のコーナー】
魅力的なビジュアルに加え、メインキャストである細谷佳正さん安元洋貴さんの演技が気になってチェックし始めた方も多いと思いますが、逆にリアル「あしたのジョー」世代は未チェックだったりするのではないでしょうか?

 

「今のアニメはちょっとなあ~」などと食わず嫌いはもったいない!
先ほど述べたように、「あしたのジョー」を原案としたアニメだけあって、あのアウトローな空気やクールでありつつ泥臭い人間ドラマは健在、往年のファンにとって懐かしく見ごたえある作品に仕上がっています。特に試合のシーンの緊張感がすごいの。
4/28日時点でまだ4話目なので、今ならまだ間に合う! ちば先生も楽しみに見ているとのこと、ぜひ追いかけてみてください。

会場には「メガロボクス」の制作資料が公開されており、台本を手に取って読むことも。
まだアニメを見ていない方は、展示を鑑賞してから視聴すると物語がスッと入ってきますよ!

会場もアニメの世界観に合った雰囲気でした。

 

 

 

◆フォトスポットとグッズが秀逸

楽しかった展示も終盤へ。出口手前には【epilogue】と題して、「あしたのジョー」に所縁のある方々や、漫画界の巨匠たちからのお祝いメッセージと色紙が展示されています。
ここまで来ると胸にこみ上げる想いが多すぎて、灰になりかかってくる頃でしょう。
さて、昨今の展覧会はフォトスポットが設けられているところが多いですが、本展もご多分に漏れず用意されています。
それがこちら。

「あしたのジョー」って言ったらこれしかないですよね!
しかも丹下段平の顔パネルとかセリフのパネルもあるんですよ! なので、数人で行って合わせを行うことも可能。その場で意気投合した同士と合わせるのもアリです。

「燃え尽きるのはちょっと恥ずかしいな……///」というシャイな方には、矢吹丈の横顔をバックにしたフォトスポットもありますのでご安心ください。

 

また、展覧会のもうひとつの楽しみと言えば物販ですが、今回かなり凝ったグッズが多いです。個人的に良いなと思ったのは、「あしたのために」で始まる丹下の手紙を模した手ぬぐい湯呑み

特に湯呑みは、朝晩手に取るたびに背筋が伸びること請け合い。
そのほかスタイリッシュなポストカードマスキングテープお菓子Tシャツ、そして大人の財力にものを言わせてもらいたいicosケースなど、幅広いファンに向けてというか全方位マークされているので、気になったらゲットしておきましょう。
50周年の限定グッズだから、あとで欲しくなっても遅いのです。

 

写真だと伝わりにくいですが、実物はめちゃくちゃ存在感があります。

 

「あしたのジョー」の歴史を振り返り、その血脈を継ぐ「メガロボクス」にも触れることができる魅力の詰まった展覧会。かなり濃密な内容ですが、なんと5月6日(日)までと会期が短いんですよ……。
なので迷っている暇はありません。あの頃の思い出に触れたい人、メガロボクスにはまっている人、大型連休を使って燃え尽きてください!

 

 

連載開始50周年記念「あしたのジョー」展

会期:2018年4月28日(土)~5月6日(日)
時間:午前10時~午後6時(入場は閉場の30分前まで)
会場:東京ソラマチ®︎5F スペース634

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